Intro
筋肥大のために有効なサプリメントの一つとしてHMBがあります。この記事では、HMBの具体的な効果や、推奨量、摂取タイミングなどについて説明していきます。
結論：筋肉の合成を促し、分解を抑える！
HMBの効果
HMBはβ‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸という物質の略称です。
HMBは、ロイシンが代謝されることにより体内で合成されます。
具体的には、ロイシンはケトイソカプロン酸に代謝されたのち、HMBに代謝されるとされています。
HMBには「筋肉の合成促進」、「筋肉の分解抑制」の効果があるよ！
筋肉の合成を促す
筋肉の合成を促すシグナルとなるmTORという物質があります。
HMBにはこのmTORを活性化させる作用があります。
このことから、HMBを摂取することにより筋肉の合成が促進されることが期待されます。
筋肉の分解を抑える
ユビキチン・プロテアソーム経路という、筋肉から効率的にエネルギーを産生する経路が体内には存在します。エネルギー産生の観点からは、ユビキチン・プロテアソーム経路は良いものと思われますが、このエネルギーの源は筋肉自体です。
筋肉を肥大させることを目的にトレーニングをしている場合、ユビキチン・プロテアソーム経路はむしろやっかいものであるといえます。
HMBには、このユビキチン・プロテアソーム経路を抑制する効果があり、筋肉の分解を抑える効果が期待されます。
細胞膜を安定化する
筋肉を構成する筋細胞をはじめとする細胞には細胞膜という膜が存在しています。この細胞膜の主成分はコレステロールです。HMBにはこのコレステロールの合成を促進する効果があるとされています。
トレーニングにより傷ついた筋細胞の細胞膜を修復するためにコレステロールは必要と考えられています。
HMBを摂取し、細胞膜を安定化することで、トレーニング後の疲労感を改善し、筋肉痛を予防する効果が期待されます。
HMBの種類
HMBには大きくHMBCa（HMBカルシウム）とHMBFA（HMB free acid）に分けられます。
HMBCa
市販されているほとんどのHMBサプリメントがHMBCaのサプリメントです。HMBがカルシウムと結合した状態です。
基本的に市販のHMBはHMBCaだよ
HMBFA
HMBFAは、HMBに何も結合していない状態のサプリメントです。HMBFAはHMBCaと比較して吸収効率が良いとされています。
今後HMBFAの商品も増えてくるかもしれません。
HMB摂取目安
HMBの1日あたりの摂取目安は3g程度とされています。
一回の摂取で3gとってしまうと、十分に吸収されないため5回から6回に分割して摂取するのがよいでしょう。
HMB摂取タイミング
HMB摂取のタイミングはいつでも良いとされていますが、今回は特に有効と考えられるタイミングをご紹介いたします。
一回の摂取では十分に吸収されないことが懸念されるため、5回から6回に分割して摂取することを推奨しています。
食後
HMBには食事により膵臓から分泌されるホルモンである、インスリンにより筋肉に取り込まれる効果があります。そのため、効率よく筋肉にHMBを届けるためには、食後のようなインスリンが分泌されているタイミングでの摂取がおすすめです。
トレーニング中・トレーニング後
トレーニング中・トレーニング後もインスリンが分泌されているといわれています。血液から筋肉などに栄養を届けるためであると考えられます。
トレーニング中・トレーニング後も、効率よくHMBを摂取できるタイミングであるといえます。
トレーニング前
トレーニングにより、筋合成や筋分解が開始していきます。トレーニング開始直後からHMBの効果を期待するためには、トレーニング前に摂取することが合理的です。
就寝前
寝ている間は栄養が枯渇してしまい、筋分解が亢進してしまうリスクがあります。HMBを摂取することにより、ユビキチン・プロテアソーム経路を抑制し、筋分解を抑えることは重要であると考えられます。
HMBと一緒に摂取したいサプリメント
EAA
HMBには筋合成のシグナルを出し、筋分解を抑制する効果はありますが、筋肉自体の材料になる効果はありません。EAAをトレーニング前・中・後、起床時などに摂取し、筋肉の材料を体に補給することで、HMBの効果がより発揮されると考えられます。
プロテイン
効率よく筋肉の材料となるタンパク質を摂取するためにはプロテインも欠かせません。HMBにより出された筋合成のシグナルを十分に活用するためにも、トレーニング前後や就寝前にプロテインを摂取することは効果的です。
まとめ
- HMBには、筋合成を促し、筋分解を抑制する効果がある。
- HMBの摂取目安は1日あたり3g程度であり、5-6回に分けて摂取するべき。
- HMBの効果的な摂取タイミングは、食後、トレーニング前・中・後、就寝前
